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ClubMinxのさつき様より「セシルの乳」を頂いたお礼に書きました。
女子セシルで何か書こう!とうんうん考えたものの何も思いつかず
さつき様の小説に出てくる森セシル(ものすごいはまってました)に敬意を払って「盛りセシル」で行ってみました。
ああ、本当に私は罪深い・・・
セシル盛り
試練の山のふもとで俺とセシルが同棲を始めて3年目。
仕事を終え、セシルが待つ自宅へと帰る俺。
途中、花屋で買ったバラの花束を抱えていた。
セシルが喜ぶことなら何でもしてやりたい。
「なんでお前がここにいるんだ」
俺とセシルの愛の巣の玄関先でゴルベーザとばったり鉢合わせ、
楽しい気分は吹き飛んだ。
「カインか・・・」
どこか暗い表情のゴルベーザ。
憎しみのこもった目で俺を見る。
「ゴルベーザ、お前、セシルに何かしたのか」
「フン、この・・・幸せ者め」
ヤツが手にもつゴミ袋には大量の生クリームの空き箱が詰められている。
意味が分からない。
「それは何だゴル・・・」
「うるさい、死ねっ」
高速で走り去るゴルベーザ。
ヤツの後ろ姿からは負け犬のオーラがみなぎっていた。
俺は不安になってきた。
セシルの身になにが起きたのか。
「セシル、今帰ったぞ。何が・・・!」
・・・・何だか。
蹴破る勢いでダイニングのドアを開けると、テーブルの上には巨大なケーキが
安置されていた。
「誕生日おめでとう、カイン」
ケーキがしゃべった。
ケーキはだいたい全長178センチくらい。
スポンジの部分が人の形をしていて、どうも服を着ていない。
生クリームでいい感じにデコレーションされ、あらゆる季節のフルーツが盛り付けられている。
そういえば今日は自分の誕生日だったが、そんなことはどうでもいい。
「セ・・・セシル・・・!」
どさどさと手に持っていた荷物が落ちたことにも気付かなかった。
「あれ?気に入ると思ったのに・・・カインは甘いもの嫌いだった?」
生クリームまみれのセシルが寝たまま言う。
目の前にあるのは夢にまで見たセシル盛り。
ご丁寧に首にはリボンまで巻かれている。
だが、俺は喜ぶ気分じゃなかった。
「バカ!!風呂に入れ!」
「エエッ」
ケーキが飛び起きた。
ボタボタと床にこぼれていくフルーツにチワワが群がる。
セシルが昼間1人で寂しいからと飼い始めた犬たちだ。
「どーして?カインが喜ぶと思ってわざわざ兄さんに来てもらったのに」
「それが気に入らんのだ!」
裸のセシルの上に生クリームを絞り出すゴルベーザのニヤケた面を想像すると吐き気がしてきた。
どういう神経をしているんだ、兄弟そろって。
ああ、宇宙人の感性は分からない。
「・・・カインって心狭いよね」
ぷうっと頬を膨らませてテーブルを降りるセシル。
そんな顔くらいで俺は折れない。
「せっかくだからワンコに食べてもらおーっと」
セシルが床に足を降ろすとチビ犬共がさっそく舐めまわり始めた。
「きゃはは、くすぐったい」
そんな姿くらいで俺の気は引けない。
「ワンワンワンワン」
「バウワウワウワウ」
「わ、おっきいのが来た!」
リビングの奥から飛び込んでくる、どこかで見た白と黒の大型犬2匹。
無駄に太って毛はつやつやだ。
「きゃー、襲われる~ははは」
狙ったようにセシルを突き飛ばし、股を開かせてそこから舐める辺りがさすが駄犬。
「いや~~、ちょっと待って、いきなりそこですか~!?」
「なんでマサムネとムラサメ(エッジの愛犬)がいるんだ!」
我慢の限界だった。
「エッジが旅行に行くからしばらく預かってくれって・・・や~、ダメダメ~」
「離れんか、このバカ犬!」
「がうー」
「あっ、こいつやる気か!」
「ちょっとカイン、ワンコ相手に何・・・」
獲物は独り占めが俺の鉄則。
セシルを両腕で持ち上げ、犬たちの侵食から救う。
「フッ、ここまで来てみろ駄犬ども」
勝ち誇る俺。
「・・・カインって大人気ないよね」
生クリームを身にまとった男に言われたくない。
「ぼくは、カインが喜ぶことなら何でもやりたかっただけなのにさ・・・」
つくづく思うがセシルは小悪魔だ。
すねた顔で見下ろされると負けを認めずにはいられない。
「・・・俺はゴルベーザより器用だぞ」
その晩は、犬に台無しにされたクリームの代わりに俺様がひとしきり料理の腕を振るったのだが、
器の方を先に食べたことは言うまでもない。