ケフカの手紙
『ティナへ
これから僕がすることを許して欲しいとは言わない
まだ正気を保っている今のうちに、君の中に僕の記憶を埋め込みたい
君は二人分の記憶を持って生きていくことになるのだけど
真実の僕を君に覚えておいてもらいたかった
君にすべての重荷を背負わせてしまうことについて、ずいぶん迷った
けど、もうあんまり時間がない
僕はもうすぐ彼らに消されてしまうんだ
この「記憶の輪」に彼らが何か手を加えていなければいいが
「記憶の輪」はとてももろいから、君が僕を忘れたくなったら壊してしまえばいい
僕は、君に少しでも覚えていてもらえたらそれでいいんだ
ティナには普通の女の子のような毎日を送らせてあげたかった
でも、僕にできることは少なくて
努力したけどセリスのようにはいかなかった
やはり、君もシド博士に育ててもらった方が良かったのかもしれないね
彼のことはとても嫌いだけど
セリスは君よりは幸せそうに見えるよ
今となっては
ティナ?
彼女に手紙かい?相変わらず君は洒落てますね
彼らは死ぬことも許してくれなかった
僕が今までしてきたことを許してくれるとは思えない
ティナなら俺が食ったけど
計画通り、逃げるんだよ
逃がしませんよ
お前も楽しんだだろう?
泣かすなよ、うっとおしい
君をとても大事に思っていることだけは信じて欲しい
泣かせるね
私たちを出し抜くことができるとでも?
君の作った輪っかは、ぼくちんがちょっと改造しました。
逃げて!
ケフカ君は消しませんよ、泣かすのが楽しいから
そうさ、最後まで一緒に遊ぶんだよ』
(2008.5.10)
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