02 人形遊び


「まだ目覚めないのかい、セリスは」

「なぜ私を殺して彼女を連れて行かないんだ?」


「目覚めた時、そばにぼくがいたら怖がるだろ」

だからそれまでアンタは生かしておいてあげるよ、シド。


ぼくがこの島を訪れるのは毎日。

眠っている彼女とお話をして帰りにキスをひとつ。

こんな毎日にぼくは満ち足りている。


「そうかあ・・・」


彼女が目覚めた時そばにいるのが怖いのはぼくのほうなんだ。



いつまでもセリスが眠ったままの人形だったらいいのに。



(2008.4.5)




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