私はバルバリシア。

ゴルベーザ様の本拠地・バブイルの塔は最近すさんでいる。

 

ルビカンテは酒びたりだし、カイナッツォは甲羅から出てこない。

 

ゴルベーザ様がある男を拉致して来てからだ。

 

「セシル、よく似合っているぞ」

「ゴルベーザ様・・・ぼく、恥ずかしいです」

 

コンチクショー。

全裸の私を差し置いて。

 

ミストで起きた地震の調査をしていたゴルベーザ様が、瀕死のセシルを発見して連れてきたのだ。

隣に倒れていた青い騎士のほうが私好みだったのに。

 

セシルを見ていると、女として焦りを感じる。

 

コイツ、美貌では私と並んでいるかもしれない。

肌理細やかな肌、フリルのついた服から伸びる白い足。

きわどい服を着せられて、あちこち隠そうとしている様がムカつくけど可愛らしい。

 

ああ、私もエステに行かないと。

 

「私のヒザの上に乗れ、セシル」

「・・・ヤダ」

 

軽い拒否が楽しいらしく、洗脳も軽めだ。

 

「私に逆らう気か?」

「ううう・・・」

 

ゴルベーザ様の手から光が発せられた。

洗脳の術を強めたらしい。

セシルがもじもじしながらゴルベーザの膝に乗った。

・・・ちょこん。

 

「いい子だ、セシル。剥いてやるから桃を食べなさい」

「・・・自分で食べれるよ・・・それくらい」

「なんか言ったか?」

「うう・・・」

 

顔を赤くしながら、ゴルベーザの野郎が桃を切るのを見ているセシル。

きれいに皮まで剥いて、一口大に切っていくバカ大将。

フォークがあるのに手渡しで与えたいらしい。

 

「はい、あーん」

「く・・・」

 

・・・ぱく。

 

「ああ・・・手が汚れたから舐めてもらえるかな」

「誰がそんな・・・」

 

手から光。

・・・ぺろ。

 

「・・・なんだか世界征服など、どうでもよくなってきたな・・・

今日は・・・そうだなセシル、兄弟ごっこをするか?」

 

もう、やってらんない。

私は足早にエステ店へと去っていった。







みほさまのサイトmaroon814でフリー配布されていたフリフリセシルたんを強奪したお礼に書いたSSです。
作中、セシルはこの格好をしています。





わーい。



そして、さ、さらに挿絵までいただいてしまいました!


わーい。






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